顧客の顧客を囲い込め

2013年07月29日

顧客の顧客を囲い込め

◆“仕組み”を持つコンサルティングビジネス

意外と知られていないのですが、純粋なコンサルティングサービス以外の“仕組み”を持つことで優位性をつくろうとする取り組みは、以前からコンサルティング業界で行われています。

組織人事系ファームが賃金データを蓄積し、年収相場をおさえることやコスト削減コンサルが共同購買のプラットフォームを持つことなどがその例です。

そのような中、注目されているモデルのひとつが、クライアント企業のターゲット顧客を囲い込んだ“仕組み”を持つコンサルティング。
言わば“顧客の顧客”を囲い込むというやり方です。

例えば、製薬メーカーや医療機器メーカーをクライアント企業とする場合は、医師や病院を囲い込む、といった具合です。
このモデルを実現しているのが好業績で知られるエムスリー社です。

なお、囲い込み方は、情報提供、コミュニティ化、EC化、ポイント提供など、様々な方法が考えられます。

 

ターゲット顧客群が、今までにない価値を生む

ターゲット顧客を囲い込んだ“仕組み”は強力です。

ターゲット顧客と継続してコミュニケーションすることで、ニーズをウォッチし続けることができます。蓄積された、生きた知見をベースにしたコンサルティングが可能です。

情報提供による啓蒙活動をはじめ、ターゲット顧客にアプローチする様々な手段をクライアント企業へ提供できます。

意識の高いターゲット顧客とともに新商品の企画を企業へ提案することも可能です。

知見や機能が下支えとなっているので、これらの価値を早期に出すことが可能です。まさにDAY1から価値を出せる、この点も注目されます。

いずれも従来型のコンサルティングファームには困難なことです。

また、このような仕組みを持ったコンサルティング会社は、他ファームにはないオリジナルの価値を出すことができ、横並びで比較されることがありません。

 

インターネットと相性抜群のビジネスモデル

私も経営コンサルタントだった際、ターゲット顧客を囲い込むモデルのコンサルティングビジネスを発案し、クライアント企業とともに立ち上げたことがあります。その当時でも、強力なビジネスモデルで、事業は順調にたちあがりました。

現代では、インターネットの利用が進んだことで、コミュニティ化やEC化も行いやすい。エムスリーに代表されるように、進化した、より強力なビジネスの構築が可能です。
実際にそのようなビジネスモデルにするか否かは別として、思考を通す価値はあります。

コンサルティング業界では、ブランド力とパートナーの持つネットワークでクライアント企業を開拓するという方法が主流です。
しかし、従来型の“人づて”の営業スタイルでは、負荷が大きいうえ、差別化が難しく、苦戦しているファームも見受けられます。

コンサル業界の発展を応援している者として、事業戦略のヒントになればと思い、今回はユニークな仕組みを持つコンサルティングビジネスをご紹介しました。