クライアントに成果を渡す

2013年07月26日

クライアントに成果を渡す

◆新規事業は怖い

前回、アリックス社のプロジェクトでは、最終報告書がないことも多いという話を書いて、思い出したことがあります。

少し古い話ですが、プロジェクト設計をする際のヒントになればと思い、ご参考までに書かせて頂きます。

15年ほど前、私は三和総研(現 三菱UFJリサーチ&コンサルティング)の経営コンサルタントとして、主に新規事業立ちあげ支援のプロジェクトを担当していました。

新規事業の立ちあげは、既存事業の改革以上に不確実性が高い。「これでいけそうだ」という自信や勇気をクライアントが持ちにくいものです。
そこで、 事業を推進していく自信や勇気を持っていただくために、“成功体験つき”で事業をお渡ししたいと考えていました。

 

◆営業までやっちゃおう

数社の新規事業戦略にかかわった後、大変理解のあるクライアント企業と巡りあうことができました。

新規事業戦略の提案を中間報告で行うと、「このプランで進めていこう」と先方社長に仰って頂き、プロジェクトの後半では、実際に新サービスを立ち上げていくことになりました。

三和総研のコンサルタントも、サービス内容の詳細、営業資料の作成にまで踏み込んで、新サービス立上げの準備をしました。

さらに、経営幹部の皆さんと一緒に営業も行いました。
私たちは、戦略策定からかかわってきているので、新サービスへの理解も深く、営業を行う上でも適任でした。
また、成約に結びつかなかった場合、どのような軌道修正が必要かを把握するためにも、営業の現場に出ておくことは重要でした。

実際に、営業をしてみると思っていた以上に厳しい。
「まぁ、価値は分かるんだけどね。うちはまだいいかな。」という微妙な反応の連続。幹部の皆さんも私たちも「実は駄目なのか・・・?」という不安な日が続きました。

 

報告書」より「顧客の獲得」!?

この営業活動の中で、本当にこのサービスを必要としているターゲット顧客が明確になっていきました。
失敗に終わった営業活動は無駄ではなく、その中から、貴重なヒントが見えてきたのです。

2ヶ月ほどの営業活動を経て、数件の受注を獲得することに成功。プロジェクトの打ち上げでは、クライアント企業の皆さんと一緒に、私もプロジェクトメンバーも涙を流して喜びあいました。

こうして無事、事業が立ち上がってしまったので、結局、最終報告書をつくることはありませんでした。

中間報告段階で、「念のため、もっと他のプランはないかを検討してくれ」という要望を社長が出していたら、このようなダイナミックなプロジェクトにはできませんでした。
今振り返ってみても、事業というものをよく理解されている素晴らしいクライアント企業だったなあと思います。

 

安定的に成果を出せると尚良し

ただ、このような取り組みが、毎回成功するとは限りません。

基本的には、「成果が出るか否か、やってみないと分からない」という側面が大きいのは確かです。

次回以降で、仕組みによってクライアント企業に成果をもたらそうとするコンサルティングビジネスの事例をとりあげようと思います。